お料理備忘録 - 晩柑ピール -

毎年、春の終わりから梅雨の入り口のこの時期に

父方の田舎から届く、初夏のご馳走。

 

無骨で不細工な見た目の晩柑ですが

爽やかな甘味と、ぷりっと弾けるみずみずしい果肉が特徴の

野性味溢れる柑橘類。

 

個性的で美味しいみかんではあるのですが

総重量の4割ほどは、分厚い皮が占めており

剥き辛く、廃棄率の高さがちょっと難点。

 

5mm程もある、晩柑の皮を見ているうちに

「肉厚なピールの砂糖漬け」が頭に浮かんできて

堪らず、試作を試みるのでした。

 

 

 

 

【DAY 1】皮は、白い部分まで分厚く剥く。

適当な大きさにスライスして(1〜1.5cm幅がベストかな?)

大きめのお鍋で、水から茹でる。

 

沸騰したらザルに上げて、水に取る。

 

再び水から火にかけて、沸騰したら水に取る。

この工程を3回ほど繰り返して

最終的には、皮が手でスルッとちぎれるくらいまで

柔らかく煮込む。(目安)30分〜1時間

 

柔らかくなった皮は、冷水と共にボウルに入れて

冷蔵庫で一晩、寝かせておく。

 

下処理完了。

 

 

 

 

 

【DAY 2】朝一番で、ボウルの水を変えて

3時間ほど、置いておく。

 

ザルに上げて、重さを計り

同量の砂糖を用意する。(上白糖が好ましい)

 

皮を鍋に入れて、弱火にかける。

砂糖を3回に分けて加える。

※箸などでかき混ぜず、鍋をゆすって、砂糖が均等にまわるようにする。

※砂糖は、1回20分、3回に分けて加える。

 

 

 

 

 

最後の方は、ヘラで返しながらムラなく煮る。

焦げそうになったら、砂糖を追加して

水分を出しながら、煮込むように火を通す。

 

 

 

 

 

皮の白い部分が透き通って、ベッコウ色になるまで

根気強く、弱火で煮詰めていく。(約1時間)

 

 

 

 

 

煮詰めた皮をザルにとって、蜜を落とす。

団扇や扇風機で冷ます。

 

 

 

 

 

粗熱が取れたら、グラニュー糖を塗して

ザルにとって、余分なグラニュー糖を落とす。

 

クッキングシートを敷いたさらに、皮目を上にして並べて

扇風機で一気に乾かす。

 

 

 

 

 

1日くらい、しっかり乾燥させたら完成。

 

 

 

出来上がった「晩柑ピール」は、ほろ苦くて歯応えがあって、病みつきの美味しさ。

「砂糖漬けにして、皮まで食べてくれてありがとう」って言っているみたい。

 

田舎からの恒例の贈り物の中から

毎年の楽しみが、またひとつ増えました。